人事ばたけ

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本当に給料は上がるのか?知っておきたい同一労働同一賃金

 

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大企業は2020年4月(中小企業は2021年4月)から働き方改革の重点改正内容である同一労働同一賃金が導入されます。同一労働同一賃金が導入されると、非正規社員にとって何がかわるのでしょうか?今回は、同一労働同一賃金についてまとめてみました。

同一労働同一賃金の導入背景

これまでの日本の企業文化では、正規社員と非正規社員を比較した場合、正規社員は、給与面や福利厚生サービスなど優遇されていました。任される仕事の責任度合いや職務内容が違うのであれば、それに見合う給料を受け取れることは至極当然ですが、同じ内容の仕事をする労働者は、正規社員と非正規社員で待遇格差を設けることは不合理です。そこで、雇用形態にかかわらず、同水準の給料支払いや福利厚生を利用できるようにすることを目的として、同一労働同一賃金が導入されました。

 

正規社員と非正規社員労働者の推移

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このように、非正規労働者は年々増加しております。また、賃金格差(時給ベース)では、20代から30代前半は緩やかですが、30代後半から賃金格差(時給ベース)が大きく広がります。

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同一労働同一賃金で何が変わる

同一労働同一賃金の大きなポイントとして、以下のとおりとなります。

  • 不合理な待遇差の禁止 正規社員と非正規社員との間で、基本給や賞与などのあらゆる待遇について、不合理な待遇差を設けることが禁止されます
  • 労働者に対する待遇に関する説明義務:非正規社員は、『正規社員との待遇差の内容や理由』などについて、事業主に説明を求めることができます。

大企業にお勤めの正規社員の基本給が、『能力・経験』や『業績・成果』に応じて支払っている場合は、非正規社員も実態が同じであれば同じ額が支給されるます。当然、賞与や諸手当も対象となります。また、多くの企業で取り入れている年功序列制度は、年齢が上がれば賃金も上がります。正規社員が毎年昇給しているのならば、非正規社員も当然に昇給させなければいけないことになります。ただし、正規社員と非正規社員とで経験・責任・熟練度に差があるのであれば、その分の待遇差は発生します。

福利厚生では、健康診断受診時の勤務免除を正社員にしているのであれば、非正規社員にも同様の対応が必要になります。

同一賃金同一労働の問題点

同一労働同一賃金の問題点として、同一労働の定義がしっかりとされていない。企業の考え方によっては、A企業では同一労働と考え、B企業では同一とみなさないと判断する可能性があります。また、日本のほとんどの企業では、ジョブ・ディスクリプションを取り交わしていないため、正当な評価がしにくい問題点もあります。

 

また、同一労働同一賃金に真摯に取り組んでい企業にお勤めの非正規社員は、賃金の上昇は期待できるかもしれませんが、そうでない企業にお勤めの非正規社員の場合、正しい評価がされず、賃金が上がらない可能性もあります。企業の中には、同一労働同一賃金に対応するために、正規社員と非正規社員との業務が重なることがないように役割・職務給制度を導入し、職務内容を明確に区分したり、諸手当を本給に組み入れ、諸手当制度を廃止する企業も増えてきています。

 

また、本当に同一労働同一賃金を実現した場合、企業は人件費のコストアップは避けられません。賃金が上がるとそれに付随して、社会保険料労働保険料なども負担増となります。その財源はどこから捻出するのかが問題となります。

さいごに

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正規社員と非正規社員との待遇差を解消することは、非正規社員の労働意欲向上が期待でき、結果、企業にとっても生産性向上につながればよいのですが、同一労働同一賃金に対応するために、正規社員の待遇を下げて、非正規社員の待遇を上げるという改悪をする企業が出てくるかもしれません。政府も企業ばかりに押し付けるのではなく、無能な議員の給料削減をしてから、このような法改正をするべきだと思いますね。