人事ばたけ

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親を扶養に入れる場合のデメリットについて理解が必要です

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最近、従業員からの相談で、国民健康保険に加入している75歳未満の親を扶養に加入させたいとの相談がありました。親を扶養に加入させるといっても、税法上の扶養に加入させることと健康保険の扶養に加入させることでは、大きく制度が異なります。また、親を扶養加入させることで、メリットがある一方、デメリットもあります。メリット・デメリットをよく理解した上で、親の扶養加入の検討が必要です。今回は、親の扶養加入のメリット・デメリットについてまとめてみました。

目次

 

税法上の扶養加入条件
所得税法上の扶養親族に該当する人の範囲は、以下のとおりとなります。(一部条件省略)
  • 年間の合計所得が38万円以下(令和2年以降は48万円以下)
  • 納税者と生計を一にしていること

ここで重要なのが『生計を一にしていること』になります。生計を一にするとは、必ずしも同居を要件とするものではなく、別居の場合でも、生活費や療養費等の送金が行われているのであれば、『生計を一にする』ものといて認められます。同居の場合は、よほどのことがない限り、生計を一にしていると認められます。

所得控除額
  • 69歳以下の親を扶養すると38万円
  • 70歳以上の同居の親を扶養すると58万円
  • 70歳以上の別居の親を扶養すると48万円

所得税法上の扶養の場合、遺族年金や障害年金は収入には含まれません

健康保険の扶養加入条件
健康保険法上の扶養に該当する人の範囲は、以下のとおりとなります。(一部条件省略)
  • 年収130万円未満(60歳以上又は障害者の場合は、年収180万円未満)
  • 被保険者により主として生計を維持されていること

仮に親(65歳以上)の合計所得が80万円で国民健康保険に加入した場合(単独世帯として計算)、年額約100,000円かかります。親を社会保険の扶養加入させることによって、約100,000円節税できることになります。但し、親が75歳以上になると、後期高齢者医療制度に加入となりますので、健康保険上の扶養からは喪失となります。

※健康保険法上の扶養の場合、遺族年金や障害年金は収入には含まれます

親の扶養加入のデメリット

このように、親を税扶養及び健康保険法上の扶養に加入させることは双方にとってメリットがありますが、親が介護保険サービスを利用した場合、デメリットが発生する可能性があります。

 

介護サービス費用が自己負担額(福祉用具購入費等一部を除く)の合計額が所得に応じて区分された上限額を超えた場合、その超えた分が介護保険から支給されますが、その所得区分が世帯全員となります。例えば、本人の年間合計所得が80万円以下の場合、上限額が15,000円となりますが、同一世帯内で市町村民税が課税されている方がいる世帯の月額上限額が44,400円となります。その差額が29,400/月です。

 

仮に親(65歳以上)の合計所得が80万円で国民健康保険に加入した場合(単独世帯として計算)、約100,000円かかります。親を社会保険の扶養加入させることによって約100,000円節税となりますが、一方、介護サービス費の上限の負担額44,4000円となった場合、月額29,400円負担が増えますので、年額352,800円の負担増となります。

 

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 さいごに

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介護サービス費の限度額対策として、世帯分離が考えられますが、世帯分離をすると健康保険法上では同居扱いにはなりませんので、扶養認定が厳しくなる恐れがあります。(特に組合健保の場合)このように、親を扶養に加入させることはメリットがありますが、介護サービスを利用している場合には、トータル的に見て判断が必要ですね。