人事ばたけ

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人事担当者から見た年末調整でよく間違える点についてまとめてみました。

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 会社員は10月下旬ころから人事担当者より年末調整のご案内が届き、保険料控除証明書等の年末調整の書類を提出していると思います。

 

年末調整では、生命保険や損害保険の保険料、イデコ掛金、健康保険料や国民年金(健康保険や厚生年金に加入していなかった場合)等が控除を受けられます。ただし、医療費控除(病院代など)や寄付金控除、雑損控除は年末調整では控除できないので確定申告が必要となります。筆者も人事担当者として年末調整業務の真最中ですが、よく間違えるポイントについてまとめてみました。

 

配偶者特別控除

 

配偶者特別控除が2018年の税制改正により、大幅に変更となりました。この変更点に気づかずに、申告漏れしている方が多い印象があります。具体的に申告漏れがあるケースとして、

 

申告漏れをしてしまうと、本来の税額より高くなってしまいますから注意が必要です。

そこで、2018年の配偶者特別控除税制改正内容について、確認してみましょう。

 

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 (国税庁参照)

 

改正内容のポイントとして

 

  • 38万円の所得控除がうけられる配偶者の年収基準が【103万円⇒150万円
  •  配偶者の年収が【201万円】まで配偶者特別控除が適用される。

 

特に、「配偶者の年収が201万円」まで引き上げられた点を見落としているのが多いのが印象です。つまり、年の途中で育児休業を取得した方でも、年収201万円までの場合配偶者特別控除が受けられることになります。

 

※(注意)育児休業給付金は課税されないこととなっていますので、配偶者控除及び配偶者特別控除に該当するかどうかを判定するときの収入(所得)には含まれません。

※2018年の税制改正により、納税者本人の所得制限が設けられました。

 


配偶者特別控除 改正内容】  

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 中途入社の源泉徴収票が乙蘭

 

 

年の途中で入社した社員の源泉徴収票が乙蘭の場合は注意が必要です。 例えば、退職した会社で退職後に賞与が支給される企業の場合、賞与のみの源泉徴収票を発行します。その発行した源泉徴収票は乙蘭になっているはずです。つまり、乙蘭の源泉徴収票は年末調整には含むことができず、確定申告が必要になります。

 

甲欄とは・・・

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出がある方に適用されます。

 

乙蘭とは・・・

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出がない場合に適用します。 2か所以上から給与を貰っていて、別の会社で「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している従業員に対して乙欄を適用します。

 

【扶養控除申告書の見本】

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【退職後の給与等の源泉徴収

www.nta.go.jp

 

社会保険料控除

 

社会保険料控除もよく忘れられる控除の内容です。例えば、生計を一にしている子供の国民年金保険料を支払った場合にも控除の対象となります。また、過去の年分を遡って支払った場合でも、その年の年末控除の対象にしてもよいです。

 

65歳以上の会社員で介護保険料を支払っている方も社会保険料控除の対象となります。本人と生計を一にする家族が負担すべき社会保険料を支払った場合も、本人の社会保険料控除の対象にすることができます。

 

社会保険料等控除欄】

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雑損控除(確定申告)

 

雑損控除とは・・・

災害又は盗難若しくは横領によって、資産について損害を受けた場合等には、一定の金額の所得控除を受けることができます。雑損控除の対象となる資産が、納税者か納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族で、その年の総所得金額が38万円以下(令和2年分以降は48万円以下)の者の資産となります。ただし、「棚卸資産や事業用の固定資産等」や「生活に通常必要でない資産」は対象外となります。

 

【雑損控除の対象となる原因】

  1. (1) 震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
  2. (2) 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
  3. (3) 害虫などの生物による異常な災害
  4. (4) 盗難
  5. (5) 横領

 

ここで疑問なのが、振込詐欺で被害を受けた場合や詐欺による損失が雑損控除の対象となるかどうかですが、結論から言いますと、詐欺やによる被害は雑損控除の対象とならない。(過去の裁判例にあり)

 

また、地震、火災、風水害などの災害によって、住宅や家財などに損害を受けたときは「雑損控除」による所得控除か「災害減免法」の税額控除のどちらか有利な方を選択できます。

 

【雑損控除】

次の二つのうちいずれか多い方の金額です。

  1. (1) (差引損失額)-(総所得金額等)×10%
  2. (2) (差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円

 

【災害減免法】

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www.nta.go.jp

 

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 医療費控除(確定申告)

 

その年の1月1日から12月31日までの間に自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を超えるときは、その医療費の額を基に計算される金額の所得控除を受けることができます。

 

つまり、医療費控除を受ける場合は、所得税率が高い人=収入が多い人で受けた方がメリットがありますので注意が必要です。

 

医療費控除のよくある間違いとして、健康診断や人間ドックは医療費控除の対象とはなりませんので注意が必要です。ただし、重大な病気が発見されて治療を行った場合、検診や人間ドックの費用も含めて医療費控除の対象となります。

 

また、医療費控除は10万円以上しか受けられないと勘違いして申告漏れする方が多いですが、総所得金額が200万円未満の人は、10万円未満でも医療費控除を受けられる場合があります。

 

【医療費控除計算式】

実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補てんされる金額-10万円

 

総所得金額200万未満の場合

総所得金額×5%

(例えば、総所得金額120万円の人の場合、120×5%=6万で医療費を6万円以上支払っているのであれば、医療費控除の対象となります。)

 

※保険金などで補てんされる金額とは

生命保険契約などで支給される入院費給付金や健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金などのこと

 

セルフメディケーション税制(確定申告)

 

2017年以降、健康の保持増進及び疾病の予防への取組として一定の健康診査や予防接種などを受けている人は、特定一般用医薬品等購入費の合計額(保険金等により補填される部分の金額を除きます。)のうち、1万2千円を超えた場合、最高8万8千円まで所得控除を受けれます。ただし、通常の医療費控除かセルフメディケーション税制かを選択しなければいけません。

 

www.nta.go.jp

 

まとめ

 

最後に、最近は共働き世帯が増加してきている中で、育児休業を取得している方が増加しています。年度の途中で育児休業を取得した場合、収入額が201万円を超えるのかの確認が重要です。後、雑損控除(確定申告)が見落としやすい控除になりますので、一度国税局のHPでチェックしてください。